ハノン活用術 2

「ハノンやった?リズム練習、聴かせてね。」

前回は、ハノンを弾く時は良い手の形で無駄な力を入れないで弾きましょう、という話でしたね。スタッカートや付点のリズムは最もスタンダートな練習方法ですが、それ以外にはどんな練習方法をするのでしょう。リズム練習って何の役に立つでしょうか。

せいと
せいと

ハノンは、譜読みが簡単だったわ。1番、やってきたよ!

トモコ先生
トモコ先生

きれいな手の形でキラキラとした音で弾けたわね。エクセレントよ!!

トモコ先生
トモコ先生

じゃあ、少しずつ速く弾く前に、魔法の練習があるから、次は本のいちばん最初を見てくれる?

せいと
せいと

「1番の変奏の例」というページね。

トモコ先生
トモコ先生

そう、ぜんぶで22個もいろいろなリズムで練習するアイデアがあるから、少しずつ毎週やってみようね。

変奏の例を参考に、毎週、数種類ずつ練習します。

♪時間がかかりそうな生徒は上り下りを1オクターブに省略しますが、1つではなく、必ず3〜4種類くらい宿題にします。
♪メトロノームと合わせる習慣をつける機会なので、メトロノームをずっとつけておくこと。

せいと
せいと

なんでこんなに沢山練習するの?

トモコ先生
トモコ先生

お指や手が「ちょっとむつかしい」と感じる事をさせるのが大事なの。「ものすごくむつかしい」をいきなりさせると、すごく力が入ったり、いろいろ無理をしちゃうからね。逆に簡単すぎたら、退屈になっちゃうよね。

せいと
せいと

繰り返し練習だしね。眠くなりそうだもんね。

トモコ先生
トモコ先生

そう、退屈は練習の1番の敵だね。退屈だと思うのなら、その練習はやめたほうがいい。同じ目的が達成できる別の面白い練習法を編み出す、遊び心が大事なの。

ただ、繰り返し練習はある程度絶対に必要。脳がその動きを覚えないといけないから。だからこそ、脳が間違った動きを覚えてしまわないように、集中して正しい動きで練習しないとダメなんだね。

せいと
せいと

なるほど、脳は同じ事ばかりしてると退屈もするし、間違った動きも覚えちゃうんだね。サイアク!

トモコ先生
トモコ先生

しかも脳は賢いから、一度覚えた事をなかなか忘れてくれない。一度間違った動きを覚えちゃうと、直すのが大変なのよ。

せいと
せいと

そういえば、指使いや、間違えて覚えちゃった音とか、直すのに苦労した事あるな〜。

トモコ先生
トモコ先生

さっきの話にもどるけど、練習が面白くなるように、変化をつけて工夫すると良いと言ったよね。それがこの「1番の変奏の例」なの。少しでも脳が退屈しないようにしながら、目的を達成させたいものね。

トモコ先生
トモコ先生

じゃあ、ハノンの1番を最終的にはどういう風に弾きたい?

せいと
せいと

う〜ん。きれいな音で指がもっと動くようになってほしいな。
速いテンポでかっこよく弾けるようになりたいな。

トモコ先生
トモコ先生

リズム練習は面白いってだけではなく、早く弾けるようになる第1歩なんだよ。だって、リズムって遅いと速い音が一定の割合で入っているでしょう。ゆっくりばかり弾くよりも、速い部分がそこにあることに意味があるの。

せいと
せいと

なるほどね、付点のリズムは長い音と短い音が交代ででてくるもんね。

トモコ先生
トモコ先生

弾く時のポイントは、長い音で脱力と次の準備、短い音は素早く一気に次の長い音に向かうように。
ここの譜例にある以外の面白いリズムを自分で作って弾いちゃうというのもアリなんだよ。楽しく練習してね。

せいと
せいと

がんばるね!メトロノームは使うの?

トモコ先生
トモコ先生

よく聞いてくれたわ!メトロノームとピッタリ合わせる良い練習にもなるから、ハノンのときはいつもメトロノームを使ってね。

リズム練習は速い音と遅い音が交代でやって来るから、速く弾けるようになる第一歩です。
♪遅い音では脱力と次の速い音の準備(手の準備と心の準備)
♪速い音は、まとめて一気に。軽くハッキリと弾く。

次はハノンの「1番の変奏例」の1について。アクセントばかりのバリエーションです。

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