発表会も終わり、落ち着く間も無く夏のコンクールの準備を始める感心な子どもたちのサポートが始まってます。バタバタと忙しかった発表会の反動で、ゆっくりと基礎を勉強する子どもたちもいます。この時期は、それぞれの生徒が自分の課題を決めて力を蓄える季節。
学校などでは年度始めに指導目標をあげて、クラス全体や学校全体で共有します。私も勝手ながら指導目標を作りたいと思ってます。それは・・・・
美しい音色で弾く
です。
これって、年度の目標とかではなく、音楽をやる上で最も大切な事の一つなんじゃないのとつっこまれそうですが、とても大切な事なので、改めて意識的に良い音を目指したいと思います。
長年コンクールを見たり審査をして関わっていると、ひとつ言える事があります。演奏を正しく間違わずにすることはもはや当然の事で、みなさんとても上手に演奏されます。びっくりするくらいレベルが上がっているのです。それでは、正誤以外に何を基準に審査するのでしょうか。速い演奏ですか?ダイナミックな音ですか?自由な解釈ですか?ミスタッチの少なさですか?
良い演奏には実に沢山の要素が絡み合っていますが、上記全ては、美しい音色でやって初めて生きてくるのです。やはり美しい音は聴いている人の心に沁みます。音を大事にしている人の演奏は心に沁みる、と言った方が正しいかもしれません。ピティナのA2級、未就学児の部門では音の数が本当に少ない片手で弾けるような曲が課題曲になっているのですが、以前に金賞を取ったある子の演奏を聴いた時、あまりの音色の美しさに心が震えました。
ピティナ、日本クラシックコンクール、若い音楽家のコンサートなどのイベントの準備など、出番はさまざまですが、美しい音色に対する審美眼を養い、美しい演奏ができることを当面の指導目標にしたいと思います。